NEXUS STORY


第2章 1. 2. 3.

1.
チーム結成して先ず初めにぶつかる壁がユニホームだった。
人それぞれには好みや個性はある。
色にデザイン、そして憧れる背番号・・・。
赤がいい人、黒がいい人、ストライプがいい人、カープのデザインがいい人。
それは理想とするイメージから来る物だったので、揉めて仕方がなかった。
カタログと全員の意見との格闘が始まった。
集まる度にカタログを広げ細かい部分にまで話し合った。
この問題はもっと続くと思っていたが、N氏の助けもありスムーズに話は進んでいった。
誰も嫌がることなく、かっこよく出切る事が第一だったからだ。
強いイメージとは日本では巨人、海外ではヤンキース。
なんだかんだ今思うと自分の好みだったんだなと思うが、強いチーム、見るのを嫌がれるデザインとは「ピンストライプ」だからだ。

ユニホームの問題があっさりと片付き、毎週練習するようになっていった。
何もしない週はない位に、毎週毎週練習した。

そしてネクサスにとって本当に大きな出会いをした。
偶然だった事が、今も続く大きな出会いになるとは思いもしない。

グラウンドはインターネットから予約をして取っていたが、市役所でも確保することが出来た。
昔は木屋川で練習をしていてホームグラウンドのように使っていた。
状態は悪く草もボーボー。マウンドのプレートは木・・・。
良い所は一つもなかったかもしれないが、周りから見られることもなく毎週練習に励んでいた。
いつもの様に練習をしているとそこに彼らは現れた・・・。

彼らとはGet'sだ。

ゲッツも同じく予約していたようで、2重に予約がなされていたようだ。
お互い揉める事は仕方がないかと思ったかもしれない。
直ぐに話をするとお互い揉めることなく、事情説明をした後揉めることもなく試合をしようとなった。
本当にいい方たちで、我々も人数は居たので断る理由はなかった。

ネクサスが結成して初めての試合はゲッツだった。

 

2.
お互いに出来たばかりのチームで試合に飢えていたのは間違いはなかった。
見た目からも年齢が圧倒的に若いネクサスが優位に感じた。
各ポジション、それなりに練習も積み試合を待つだけの我々が圧倒するのは必然だった。
投手も守備も負けるところは一つもなかった。
投手が三振ばかりで抑え、攻撃でも打ちまくり。
あっという間に試合は決まった。
そこまで広いグラウンドではなかったので、オーバーフェンスも何本かあった。
練習をする中で確実に感覚が戻り、個人の体のきれも格段に良くなっていた。
ゲッツの方々は良い方ばかりで試合後も快く今後も一緒に練習や試合をしてもらうようになった。
打倒ネクサスはこの頃から言っていた。
若く経験者ばかりの我々だから勝つのは当然だが、試合から色々課題も多く見つかっていった。
直すべき事は練習で取り組み、個人に任すばかりでなく全員の団結は凄かった。

日は流れ、ついにネクサスのユニホームが完成した。
ピンストライプに胸には「nex」の文字。
自分だけのユニホーム、新鮮で本当に嬉しかった。


3.
練習は行えど、試合相手を探す事も分からず日は過ぎていっていた。
それなりの練習もこなし自分たちの力量を測りたくて仕方がなかった。

当時、nex13、nex9がよく行っていたお店があった。
「多夢多夢」(字があっているか不明)
そのお店のマスターもまた同じ中学校卒業の大先輩だった。
昔、野球チームを持っていて色々と話をしていただき、色々と聞いたりもしていた。
直接、監督をして欲しいとの話もしていたが、なかなか受け入れてもらえはしなかった。
大会の話や、下関のチームのこと等色々と聞いてるうちに、マスターから俺らと試合をしようと申し込まれた。
お店に来るお客さんや、昔のメンバーを集めるので下関球場でナイターをやろうと。
試合に飢えていた私は即答でお願いをした。

球場を押さえ、日時も決まり試合に向けてまた練習に励んだ。
試合日に近づくにつれ、心配事が浮上した・・・。
それは・・・台風だった。多少の雨ならば問題はないのだが、台風になると危険なため中止の可能性が増してきたのだ。
それも試合の日に合わせ近づいてきたのだ。
この台風が非常に珍しく10年に一度あるかないかと言われる位に変な動きをしていたからだ。
関東方面にそれたかと思うと、そこから西に向かい日本を横断するように動いてきたからだ。
球場で試合をすることも本当に楽しみだったため、神頼みするしかなかった。
予報では試合当日に直撃・・・中止は免れないと思っていた。

心配になり当日昼に球場まで足を運び状態を見に行った。
だが逆に夕方になるにつれ回復していく天気。台風の目かと思うような静けさの中試合は開始された。
天候の不安はあったが、始まれば気になるどころではない。
相手は即席チームだけに年齢層もばらばら、繋がりは多夢多夢だけだった。
だが我々は苦戦した。
自らのフォアボールにエラー、実践でこなせていない事が課題でもあり試合感も問題だった。
勢いに任せて勝てれば強いが、試合をリードするようなチームではまだなかった。
接戦となり、勝敗は覚えていないが僅差で勝ったはずだ。
試合後、おもいおもい語りだす。
話し合いは数時間にもおよび明確なビジョンを打ち出していった。
勝てる試合には勝たなければいけない、強いチームとは何か・・・色々考えさせられた。

その後メンバーで多夢多夢でお腹も満たし、また次なる目標に向かっていくように誓い合った。

 

第一章

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