NEXUS STORY

 

1章〜結成まで〜  1, 2, 3, 4, 5.

1.

野球、それを通じて出会った人は数知れず、現在も続く我々の物語です。
今から8年前まだ下関で暮らしている頃、久しぶりに会ったnex10との出会いがきっかけだった。
昔の面影はありながら凄く成長した後輩の姿を見て驚きを感じた反面、挨拶もままならない中出た言葉は
「野球まだやってます?」勿論やりたかったがやる環境という物が当時はなかった・・・。
その場で簡単な話だけだったが、これまでの経緯を話すだけでまた直ぐに再開するとは思いもしなかった。
実際に当時は浪人中という身もあり何よりも勉学に励むことが一番の事だったので何も考えずにいた。

そして数日後、nex10からの連絡・・・「キャッチボールしませんか?」
勿論断る理由もなく直ぐに向かった。
今は懐かしい忠霊塔(ちゅうれいとう)で久しぶりにボールを投げた・・・。
会話しながらするキャッチボールは本当に良かった。何よりも力強く投げ返してくる球が本当に心地よく、
投げる球にも色々な気持ちが沸いてくるように次第に力が入っていたようだ。
自分の知っていた後輩の姿からは想像も出来ない成長で驚きを隠せない中、自分も維持を見せた。
まさかあんなに小さかった子がここまで成長するとは・・・自分しか時計が回っていなかった感覚から、
一気に現実に戻ったようだった。
nex10も投手になっていたのはその時は本当に驚いた。お互い投手同士自分の力を見せ付けたかったのだろう、
物凄く力が入る・・・。しかしその球は自分が想像した以上に成長した姿だった。
ストレート、スライダー・・・球速、球威、キレどれを取っても本当に素晴らしい球だった。
交代で投げる・・・自分も負けられない・・・力の限り投げたボールはとんでもない所に投げていた。
軟式のボールを投げたのは高校を卒業して以来ぶりで、とんでもなく違和感を感じていた・・・。
笑われながらも微調整してやっと慣れ始めた頃、秋空は真っ赤に染まり白いボールも見えなくなりそのまま帰宅をした。

それから何度も会ってはキャッチボール、ピッチングをする様になった。
お互い野球が好きなことも本当に感じながら投げていたのだろう。
変化球を教えあったり、投球理論についても話し合った。本当にそれだけでも楽しくてしかたなかった。
教えたナックルカーブを一生懸命練習してたり、教わったスライダーを練習したり投げる一球一球が真剣そのものだった。
懐かしい話をしている中、nex10は
「自分たち後輩はnex13さんをずっと憧れて、卒業していなくなっても皆目標にしていたんですよ。
nex13さん超えたかなってよく話してましたから」嬉しい以外に何もない・・・。
自分は中学で一度野球を捨てた身・・・日本の高校で野球はしなかった・・・。
中学時代も福岡、山口のかなりの数の高校から推薦は来ていた。市内では一、二番に球が速かったのも当時聞いていた。
違う高校に行っていれば野球をやっていたかもしれない・・・思っても仕方がなかった。
高校に入っても野球部の監督がわざわざ来て、なんで野球をしないか、野球部に入るように言われた・・・。
あの中学の野球部じゃなかったらもっと推薦は来ただろうともいわれたこともあった・・・。
その時嬉しさの反面、昔のことをふっと思い出したことはよく覚えている・・・。
弱小チームだった中学時代・・・その同じ野球部だった仲間が成長をし、また違った形で再会して本当に良かった。

そんな時にnex16と出会った。

元々、家の近くに住んでいたので中学の後輩という事で話をしたこともあった。
当時はまだ高校生で特に野球について話をするでもなかったが、nex16もその頃から野球をしたかったのかもしれない。


2.
nex16との出会いは今後大きく変わるものとはその時は知る由もない。
当時の中学校のことを色々と教えてもらい、久しぶりに中学校に行くことになったのもnex16のお陰だった。
名陵中学校は、自分たちが居た時のような弱小チームからかなりの強豪校になっていた。
全てにおいてハイレベルな野球をしていた。自分よりも背丈の高い子も何人かいたり、練習内容も非常に濃い物だった。
力こそ負けるわけもないが、全体のレベルの高さは相当な物だった。
知らない先生だったが挨拶をすると快く受け入れていただいた。
知らぬ間に中学生と仲良くなっていくに従い、OB戦という文字がちらつき始めた。
nex16も面白がったが「こいつら強いですよ」と、言うが負ける気は全くない・・・。むしろ力の差を見せ付けて当然と思っていたのだ。
それはそうだろう。人数はまだ居ないが高校まで野球をした実績、パワー、スピードどれを取っても負ける要素がなかった。その時は・・・。
それから冬を向かえ自分も試験を控えていたため暫くは、nex10、nex16とキャッチボールをしたりして過ごした。
大学受験を追え自由な時間が増えたため酒にまみれた生活をしていたとき、メンバーを本格的に集めることにした。
ちょうど3月で地元に戻っている人も多く、手当たりしだい連絡を取った。
懐かしいメンバー、自分よりも下の世代ばかりだが結構な人数が集まった。
自分と同じように野球から離れているメンバーが多かったが負ける訳もないメンバーが揃った。
nex10、nex16、nex1、、nex7、元nex5、宮本兄弟、安川・・・他にももっといた。
練習もせずにぶっつけ本番・・・ボールを握ったのも久しぶりのメンバーも多かった。
だが体格だけでなく経験でも優る自分たちが負けるなんて誰が思ったでしょう・・・。

そう・・・全てはここからだったんだと・・・


3.
takeにmake、watchにplay、もっと言えばaとtheの違いのように、物事に言語には違いが付いてくる。この日全員思い知らされた事もまた同じだった。
寒さ残る春空の中、試合後にあったのは劣等感だけだった。完膚なきまでに・・・。
力とは合力とあいまって時折とてつもない力を生み出すこともある。現に、奇跡と言うものは存在せず物事には根拠があるからだ。
何とかなる、なせばなるとは大嘘だ。やるからには理由やそれまでの過程があるものだ。そうではないと成り立たないからだ。
その日我々は完膚なきまでの敗北を受けたのだ・・・。
全てに優っていたはずの自分たちが完璧な負け方をしたのだ・・・。
試合開始直後のあの気持ちは何だったのだろう・・・。点を取られても取り返せばいい・・・。
全ては間違っていたのだ。
初回からストライクが入らず、フォアボールを出してはエラーの連続・・・。
攻撃のタイミングが取れず、バットを振ってボールが来るくらい・・・。
衰えたのか・・・そうではない、実力なのだ・・・。
幾ら、力があってもそれを上手く使いこなす事が出来なければ何の意味も持たないのだ。
試合の結果は散々な物だった・・・。一矢を報いる間もないまま試合は終わった。
自分たちはただただ集まっただけで、酒でも飲みたかったのだろうか・・・。
野球とは・・・そう9人居て初めて試合が成り立つ。個人、各ポジションが機能して初めてチームとなる。
幾らレベルが高い人間が集まっても無理なことはチームとしての繋がり・・・。
負けて楽しいことなど何もない。終わった直後から次を考える・・・。
考えても出る答えは・・・野球にまたはまってしまったから。

また野球が楽しくてしかたなくなったから。

こいつらに勝ってやるといった衝動からだったのかもしれない。
そんな事はどうでも良かったのかもしれない。ただ野球がしたかったのだ。
もう負けられない。練習しか考えがなかった。先ずは軟式に慣れ力を出し切るため。
その後、数人集まっては練習をしたのは言うまでもなかった。

その時がネクサスの始まりだったのかも知れない。

中学生たちに教えられるとは・・・ありがとう。
そんな中学生の中に今のnex2がいて今では同じチームメイトになる事も、そしてしばらく続く中学生との戦いも今ではネクサスの一ページとしてこれからも続いていく。
まだまだ負けるわけにはいかない、そんな思いがこれから次第に形となって変わっていく。

 

4.
その熱が冷めぬ中、万全とはいかないもののさらに練習を重ねていく。
戦術も考えさらに練っていく。
次第に言い訳も出来ない位にまで状態は戻ってきた。
日を増すごとに集まるメンバーも増えてきた。各ポジションに配置し、それぞれ考えることは勝つ事だけになってきた。
ただ一番の問題はピッチャーだった。
これまでの敗戦はフォアボールによる自滅が一番大きな課題だったからだ。打たせて取ればエラーは少なくなってきていたので、
力だ抑えるよりも組織力で今度こそは勝つ考えだった。
そこで元nex5を先発にたて、どんどん打たせる考えだった。
確かにストライクはよく取るが力のない球に不満はあるが、出来る先発としてはこれしかなかった・・・。

その頃nex16も高校を卒業し、その時は就職先がまだ決まってなく毎日のように一緒に過ごしていた。
朝起きたらnex16が家に来て、どこかへふらっと。引越しも手伝ってもらったり、色々やってもらいました。
練習もいつも一緒にやっていました。
初めは寡黙な男かと思っていましたが良く喋るやつでちょっとビックリw初めは付き合いに苦労しそうかと思っていたが、
変なやつで面白い日々を過ごしていた。
nex16との出会いはKスポーツのN氏との出会いでもありました。
ネクサス創立からその後までN氏なくては語れません。.

日は過ぎ私も下関の地を離れなくてはいけなくなり、また野球とかけ離れるのかと思いきや・・・。
ここから毎週下関に帰ることになるとは・・・。今考えるだけで、旅費が大変なことになっていましたw
その時は下関には野球とお酒飲みにだけ帰ってたような・・・。nex9とはその時から仲良くなり、野球ではなく飲み仲間として会ってました。
nex9は野球の経験がなかったが、酒のつまみは決まって野球の話。
「やりたいけれど、俺は出来ないよ」
野球が好きなのに断る理由はないと説得し、今度の試合を観に来てくれるよう言いながら酔い潰れていました。

そして4月、中学生との再戦の日が来たとき、全員昔のように勝つ事に必死に向かう気持ちに変わっていた。
勝つためにしてきた練習も、この試合にぶつけるため。
不安はまだまだあるが前のような無様な姿は見せられない。メンバーも前回とは違い人も集まりだした。
結果は勝つことのみ・・・ついに試合が始まる・・・。

そして・・・。

 

 

5.
初夏の陽気、暑さの中勝ちに進むチームがそこには出来上がっていた。
試合は僅差になる予想だった・・・しかし不安が的中する・・・。
元nex5の球は中学生には一番打ちごろの球だったのだ・・・。
みるみるうちに連打を浴び、失点を続ける・・・。
見かねて投手を変わるももう遅かった。
nex10の球もホームランにされ、もう結果は決まってしまっていた・・・。
そう中学生とは思えない程の力に戦意は喪失し、敗北を認めざるえなかった。
負けるわけにはいかなかったのに・・・だが違った高揚感に見舞われた。
このチームで、このメンバーで野球が出来たことだった。

その夜、nex13宅でBBQを行った。
多くのメンバーが打ち上げついでに集まり、今日の試合や昔の話で盛り上がる中nex16がさりげない一言を言った。
「nex13さんがチーム作ったらいいじゃないですか」
そうこの日チームが出来上がったのだ。
参加したメンバーたちは賛同し、皆チーム結成を求めた。
nex13、nex16、nex14、nex9、nex10、nex1、nex7、元nex5、nex25、元nex36、元nex00
同じ中学校で、昔の仲間たちと共にNEXUSは結成された。
思い立ったら即行動のnex13なので、翌日にはチームに必要な情報や備品、ユニホーム作成に着手した。

時間はそうかからなかった。

皆、昔の同じ仲間で出来たチームだから。

 

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